タカキベーカリー ONLINESHOP 店長 久保 雅美
Q.この度、通販事業に参入された背景について教えてください。
タカキベーカリーはこれまで、全国のスーパーマーケット様やコンビニエンスストア様へのパンの卸売りを主体として来ました。店頭でパンを買っていただくお客様との交流を目指して、2018年よりインスタグラム等の各ＳＮＳでの発信を進めています。お客様とＳＮＳで交流をさせていただく中で、これまでの流通網を超えた全国的な範囲で、弊社の商品を知っていただける機会となっています。そういった皆様にオンライン販売であれば商品をお届けできるのではという想いもありました。
また、2010年より、タカキベーカリーの事業の柱の一つであるヘルスケアフード（アレルギー対応のパンやケーキ、パンの介護食）を扱う通販サイトを「タカキヘルスケアフーズ」というブランドで運営しておりまして、そちらのお客様に10年間もの間ご好評を頂いてきたことも、次のステップを考えるきっかけとなりました。
Q.商品ラインナップの特徴は？
弊社は小売店への卸と並んで、全国のカフェやレストランへ向けて業務用の焼成冷凍パンをお届けしています。小麦粉を配合して生地をつくり、発酵させて焼き上げるところまでは通常のパンと同じ工程ですが、焼き立ての状態を冷凍することにより、解凍した時に焼き立てに近い状態に戻すことができます。今回のオンラインショップの商品は、この「焼成冷凍」の技術を活用しており、解凍の際の劣化や、皮剥がれなどを防ぐよう、最適な生地の配分を研究しておりますので、外はパリっとしていて、中はモッチリという食感を楽しんでいただけます。
次の特徴は「冷凍」だから可能となった商品企画です。スーパーマーケットなどで販売されている商品は、製造後に運搬して店頭に並べるため「日持ち」をさせる必要があります。弊社の店頭向けの商品でも「必要のないものはできるだけ使わない」ことを大切にしていますが、冷凍ではそういったものを必要としないことが特徴です。だからこそ、出来る限りシンプルな配合にした、小麦粉本来のおいしさが伝わるパンや、パンと一緒にそのまま具材も冷凍したデリカテッセン系のパンなど、店頭販売では実現しにくい、フィリングのボリュームや配合も実現しています。
食の安心・安全を気にされるお客様も多いと思いますが、徹底した品質管理を行った工場で製造する製品でありながら、手の込んだ成型や素材の配分など、こだわった品質を目指したラインナップとなっています。
素材にこだわった「シェフのデリパンセット」
Q.商品の開発に関してはどんな苦労がありましたか？
解凍した状態で「焼き立て」を感じさせるパンにするためには、最適な生地の配合を探る必要があります。これを見つけるためには、パンを焼いて冷凍し、解凍して食べるという作業が基本ですから、何度も何度もそれを繰り返してきました。冷凍すると水分が多少抜けますから、それを補うための生地の配合などを探し当てる作業を連日行ってきました。
焼成冷凍のパンの良さはまだまだ知られていないので、この機会に知っていただきたいと思います。ホテルやレストランのシェフの方・・つまり食のプロの方に選ばれて、プロの方の厳しい要望にも応えてきた「プロ品質」ともいえるパンを、ご家庭でも気軽に味わっていただける機会になれば嬉しく思います。
